円下落、149円台前半

Published by
共同通信
一万円札と百ドル紙幣(ロイター=共同)

 28日の東京外国為替市場の円相場は対ドルで下落し、1ドル=149円台前半と節目の150円をにらむ展開となった。前日の米長期金利の上昇を受け、日米の金利差拡大を意識したドル買い円売りが優勢だった。28日に日本の長期金利も約10年ぶりの高水準を付けたが、金利上昇の勢いは米国が上回った。

 金利上昇が企業業績を圧迫するとの懸念から、28日の東京株式市場の日経平均株価(225種)は大幅反落した。終値は前日比499円38銭安の3万1872円52銭と、約1カ月ぶりに3万2000円を割り込んだ。

 午後5時現在の円相場は前日比29銭円安ドル高の1ドル=149円31~32銭。ユーロは53銭円高ユーロ安の1ユーロ=156円92~96銭となった。

 米国では、経済の堅調さや原油高を背景に、米連邦準備制度理事会(FRB)が物価高を抑制するため、金融引き締めを長期化させるとの観測が強まった。

 鈴木俊一財務相は28日午前に「為替相場の過度な変動があれば、あらゆる手段を排除することなく適切な対応を取る」と記者団に話した。