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共同通信
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公益財団法人「東京都慰霊協会」は、関東大震災の犠牲者について死亡場所などの情報をまとめた約4万人分の「震災死亡者調査表」のデータベース化を進めている。これまで非公開だったが、本年度中に条件付きで公開する方針で、専門家は「公共の財産として共有すべき歴史的な資料」と指摘。災害対策の手掛かりになるとしている。
関東大震災は1923年9月1日に発生。死者・行方不明者は約10万5千人に上り、東京都内だけで約7万人が犠牲になった。遺体は腐敗が急速に進んだため、身元を特定せずに火葬された。
その後、発生時に東京市長だった永田秀次郎らが中心となり、都内の犠牲者の情報を収集。遺族が役所に提出した埋葬許可の申請書を集めたり、新聞広告で情報提供を呼びかけたりして、氏名や性別、生年月日、本籍、住所、死亡場所などを調査表にまとめた。
複数の研究者から閲覧を望む声があり、研究や学習目的に限って、氏名以外の情報を公開することに決めた。