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共同通信
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第2次大戦中にナチス・ドイツに迫害されたユダヤ人難民が押し寄せた旧ソ連(現ロシア)極東ウラジオストクで、総領事代理として日本通過の査証(ビザ)を発給した故根井三郎(1902~92年、宮崎県出身)が月内にも、イスラエルが授与する「諸国民の中の正義の人賞(ヤド・バシェム賞)」に推薦される。共同推薦する2人が5日までに共同通信の取材に明らかにした。
受賞すれば、同時期にリトアニア・カウナスで領事代理としてユダヤ人に多くの「命のビザ」を発給し85年に同賞を受賞した故杉原千畝(00~86年、岐阜県出身)に続く2人目の日本人となる。
推薦するのはロシア・ホロコースト研究教育センターのイリヤ・アルトマン共同議長と、日本イスラエル親善協会のヤコブ・ジンベルグ理事。
ジンベルグ氏は、最も重要な根井本人発給のビザが見つかったほか、生存者の証言記録、根井が外務省に反対の立場を取って査証を発給したことを示す電報がそろったと説明。「根井の人間性や勇気を示すものだ」と強調する。