訪日客のカード利用額好調

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共同通信
訪日客のカード利用額増加率上位10県

 訪日客がクレジットカードを利用して支払った金額が、7月時点でコロナ前を5.8%上回る水準だったことが、三井住友カードの調査で分かった。36都府県でコロナ前を上回り、東北などの地域で回復率が高かった。7月時点で中国人の団体旅行は解禁されていなかったが、米国や台湾からの訪日客が消費をけん引した。

 三井住友カードの加盟店で訪日客がカード決済した金額を集計し、コロナ前の2019年7月と今年7月で比較した。

 都道府県別では、和歌山と山形がコロナ前の3倍超に達した。岩手、山口、高知、群馬、島根でも2倍を超えた。都市部よりも東北などの地域で回復率が高く、担当者は「地域で日本文化を体験する消費が進んでいる」と分析する。和歌山では高野山周辺の宿坊などが人気を集めているという。

 一方で回復率の鈍い地域もあった。三重はコロナ前と比較すると74.3%減で、鹿児島、愛知、富山も30%以上減った。大阪は12.8%減で、近畿2府4県のなかで唯一コロナ前を下回った。いずれもコロナ前は中国人の消費額が多かった地域だった。