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共同通信
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【キーウ共同】ウクライナのゼレンスキー政権が汚職対策を強化している。当局は9月、ゼレンスキー大統領の初当選を後押しした富豪コロモイスキー氏を拘束。捜査には政権の承諾があったとされ、ゼレンスキー氏が後援者に「決別」の意思を示した形だ。厳正な汚職対策を求める欧米にアピールし、支援をつなぎ留めたい狙いがある。
「戦時下の汚職は国家反逆罪に値する」。ゼレンスキー氏は8月下旬、地元テレビのインタビューで、汚職は重罪に当たると発言。ウクライナ保安局(SBU)がコロモイスキー氏を拘束したのは、その数日後の9月2日だった。
コロモイスキー氏はメディアや石油、銀行に携わるウクライナのオリガルヒ(新興財閥)の一人。これまで複数の疑惑がかけられていた。
経済誌フォーブス・ウクライナ版は、大統領府が拘束直前に開いた「会合」でゴーサインを出したと伝えた。英BBC放送で専門家は「大統領の宣伝キャンペーンの一環だ」と指摘。大統領府主導で捜査が行われたとの見方が出ている。