「くら寿司」迷惑動画で有罪

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共同通信
名古屋地裁

 大手回転ずしチェーン「くら寿司」の名古屋市内の店舗で、しょうゆ差しに口を付けて飲んだかのような様子を動画撮影し、交流サイト(SNS)に投稿したなどとして、威力業務妨害などの罪に問われた吉野凌雅被告(21)に、名古屋地裁は13日、懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役3年)の判決を言い渡した。

 大村陽一裁判長は判決理由で「顧客に安心して食事をしてもらおうという同社の努力を無にしかねない、あまりにも無分別な犯行」と指摘した。

 吉野被告は少女を連れ回すなどしたとする営利目的誘拐罪にも問われ、大村裁判長は「未成年者の浅慮に乗じ、食い物にした卑劣な犯行だ」と、刑事責任の重さを指摘。起訴内容を認め、反省していることを評価して実刑は選択しなかったが、刑の猶予期間は最長の5年とした。

 吉野被告は、判決後、報道陣の取材に応じ、人気者になりたかったと振り返りつつ「常識外れでおかしな部分があった」と述べた。「被害者をはじめ、たくさんの方に申し訳ない気持ちだ。まっとうに働いて、くら寿司さんに賠償していきたい」と語った。

判決言い渡し後、取材に応じる吉野凌雅被告=13日午後、名古屋市