20日付のニューヨーク・デイリーニュースによると、クイーンズ区で今月初めに起きた、イスラム教徒の男性が3人の男から暴行を受けた事件で同日、ニューヨーク市警察(NYPD)は14歳の少年を逮捕したと発表した。この少年は未成年のため、名前は公表されていない。
少年と2人の友人は1日午後10時半ごろ、同区クイーンズビレッジの205丁目とジャマイカ・アベニュー近くにあるイスラム教寺院、センター・フォー・イスラミック・スタディーから出て来たモハメッド・ラシード・カンさん(59)の顔面を殴るなどの暴行を加えた疑いが持たれている。同事件は当初、伝統的なイスラム教徒の衣装に身を包んだカンさんが襲われたことから、イスラム教徒を狙ったヘイトクライムの可能性があるとして捜査が進められていた。しかし、逮捕された少年は取り調べに対し、仲間の1人が、通り掛かりの通行人を無作為に選び、殴って一発で気絶させるという危険な「ノックアウトゲーム」をしようと提案し、自転車に乗ってたまたま寺院から出て来たカンさんを標的に選んだと供述している。
カンさんは脳振とうを起こし、顔面や肋骨の骨折などの重傷を負い、入院した。NYPDは21日現在、ほかの2人の行方を追っている。