全領土奪還まで交渉応じず

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共同通信
共同通信と単独会見したウクライナのダニロフ国家安全保障・国防会議書記=19日、キーウ(共同)

 【キーウ共同】ウクライナ政府で安全保障政策の中枢を担うオレクシー・ダニロフ国家安全保障・国防会議書記は21日までに、ロシア占領下の自国領土を全て奪還する見通しがない限り、停戦交渉には応じないと明言した。首都キーウ(キエフ)で共同通信と単独会見した。ロシア本土の軍事施設への攻撃を継続すると表明。中国に接近するロシアは「中国の手下になった」と指摘した。

 ロシアは併合したクリミア半島と東部・南部の4州支配の維持を図り、激しい攻撃を続けている。ウクライナの国家安保・国防会議は軍司令官や国防相、外相らで構成されるゼレンスキー大統領直属の最重要機関。同会議を取り仕切るダニロフ氏が全領土奪還の決意を表明したことで、戦争の長期化は避けられない状況がより明確になった。

 ダニロフ氏は「クリミアを含む国土からロシアが去ることなく、何を話せるというのか」と訴えた。プーチン大統領を「テロリストだ」と非難し「プーチンという名前のヒトラーがわれわれの子どもたち500人を殺害した」と断じた。