22日付のニューヨーク・タイムズによると、ニューヨーク市警察(NYPD)の規定に違反し、ひげを伸ばしていたことで処分を受けたイスラム教徒の警官らが同日、NYPDを相手取り、規定変更を求める集団訴訟を起こしたことが分かった。
NYPDでは、ひげを生やすことが禁止されているが、宗教上の理由などで、1ミリ以下のひげを生やすことが特例として認められている。パキスタン系米国人でイスラム教信者の警官、マスード・サイドさん(32)は、2006年に採用された際にこの特例を認められた。サイドさんは規定より長い0.5~1インチ(約13~25ミリ)のひげを生やしていても問題なかったというが、15年8月、警察幹部から注意を受けてからは、ひげを剃るよう何度も指導された。
サイドさんはこれを拒否し、昨年12月、注意を受けた幹部の上司宛に、宗教的な理由で規定より長いひげを伸ばすことを認めるべきだとの手紙を送った。しかし今月20日、翌日までにひげを剃らなければ停職処分に処するとの通達を受け、翌日サイドさんがひげを剃らずに出勤すると、銃などを没収されビルから退去させられたという。
サイドさんは、NYPDが宗教の自由を行使する権利を侵害したと主張している。