「供述誘導」元広島市議に有罪

10/26/2023

　2019年参院選広島選挙区の買収事件で、河井克行元法相（60）＝実刑確定＝から現金30万円を受け取ったとして公選法違反（被買収）罪に問われた元広島市議木戸経康被告（68）に、広島地裁（後藤有己裁判長）は26日、求刑通り罰金15万円、追徴金30万円の有罪判決を言い渡した。被告は東京地検特捜部の検事が不起訴を示唆して自白させたとする「供述誘導」を訴え、無罪や公訴棄却を主張していた。

　被告は20、21年に行われた特捜部検事による任意聴取や、元法相の裁判に向けて別の検事と事前に事実関係を確認した「証人テスト」のやりとりを録音。その内容を今年になって報道陣に公開した。ただ、公判では、検察側が被告の自白調書の証拠請求を見送ったため、録音データも証拠採用されず、審理はされなかった。

　録音内容によると、取り調べ担当の検事は「議員を続けていただきたい。そのレールに乗ってもらいたい」「全面的に認めて、不起訴であったり、なるべく軽い処分にというふうにしたい」などと発言していた。