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共同通信
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2019年の東京・池袋の乗用車暴走事故で妻子を亡くした松永拓也さん(37)ら遺族9人が、車を運転していた旧通産省工業技術院元院長の飯塚幸三受刑者(92)=禁錮5年の実刑確定=らに計約1億7千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(平山馨裁判長)は27日、賠償の支払いを命じた。
飯塚受刑者側は賠償責任を争わず、事故の凄惨さや過失の重大さなどが、慰謝料の算定でどの程度考慮されるかが争点だった。
松永さん側は「見通しの良い道路でブレーキをかけておらず、基本的な注意義務を怠り悪質」と主張。事故当時87歳だった飯塚受刑者は運転免許を返納しておらず「運転技術を著しく過信した」と指摘していた。
松永さんらは20年10月に提訴した。飯塚受刑者の実刑判決は21年9月に確定し、翌10月に東京拘置所に収容された。
確定判決によると、事故は19年4月19日に発生。ブレーキと間違えてアクセルペダルを踏み込み、9人が重軽傷、松永さんの妻真菜さん=当時(31)=と、長女莉子ちゃん=同(3)=が亡くなった。