6月29日付のニューヨーク・タイムズによると、ニューヨーク市で、ジカ熱に感染したと診断された患者のうち半数以上が、過去数カ月以内にドミニカ共和国へ渡航していたことが、市保健衛生局(DOH)が同日発表した最新の調査結果により分かった。
DOHのメアリー・T・バセット局長によると、同局が実施した検査を受けて陽性反応が出た233人のうち、140人がドミニカ共和国を訪れていたという。ドミニカ共和国に次いで多かった感染者の渡航先は、20人の感染者を出したプエルトリコで、14人の感染者を出した南米のガイアナ共和国がこれに続いた。局長は、「調査と公表は、これらの国に汚名を着せることが目的ではなく、ジカ熱への認識を高め注意を喚起するためのもの」と述べた。
ウイルスを保有した蚊に刺されることにより感染するジカ熱。ほとんどの場合、感染後も症状が現れず、現れても軽度の疾患で済むことが多い。しかし、妊婦が感染した場合は発育中の胎児に悪影響を与えることが分かっており、異常に小さな頭部を持ち脳に損傷を受けた小頭症の子どもが生まれるなど、多数の出生異常が報告されており、市でも注意を喚起するキャンペーンを行っている。