10月28日 編集後記
多様性をまなべるのは海外だけ?
編集部が気になった1週間の出来事
数千人のNY市職員、週2の在宅勤務へ 12月開始、非組合員まで適用範囲拡大
出勤日数を増やす企業も増えている中での寛容な取り組み。人員不足食い止めには効果がありそう。(編集部 I)
NY市就業者数は過去最多の470万人 治安改善と観光客増で雇用回復
治安改善はあまり感じないが、観光客は増えていると日々感じている。ニューヨークの力。(編集部 M)
「反イスラム」「反ユダヤ」のヘイトクライム増加 宗教を理由とするいじめ・解雇も
年初からの統計では、「反イスラム」が12件、「反ユダヤ」が196件。16倍もの差があることに驚いた。(編集部 A)
編集後記 多様性をまなべるのは海外だけ?
皆さん、一週間お疲れさまでした。今週は、秋晴れで暖かく、気持ちのいい一週間でしたね。最近、雨が続き、気持ちまでじめじめしていたので、気分転換の一週間になりました。
昨日、おかげさまで紙面版の教育特集号が無事発行できました。ご協力いただきました皆さん、ありがとうございます。春の教育特集号では、こちらの日本学校の皆さんを中心にお話を聞かせていただきましたが、その際に、日本帰国後の学校選びを考えた際に、案外と、帰国子女の選択肢が少ないというお話を伺うことが度々ありました。
そこで、“日本で‘グローバル化’や‘グローバル人材の必要性’が言われて久しいなか、グローバル人材となる可能性を秘めたこちらの子供たちが、なぜ帰国後に肩身の狭い思いをしないといけないのか?”と思い、今回は教育関係者、日本での帰国子女受入校、こちらの日系塾の方々にお話をうかがいました。
詳細は、教育特集号を読んでいただければと思いますが、個人的にはやはり(日本国内以上に)多様な環境で育ってきた帰国子女を受け入れるためには、多様な状況に対応できる“包容力、好奇心”(=それぞれをそれぞれとして認める)が必要なのではないかと思いました。
日本は、同調圧力が強いと言われますが、同調圧力というのは定義上“違い”があるからこそ、“圧力”が起こります。今回の取材のなかで、“多様性に対する理解力”が海外経験のよさとして挙げられることが多かったですが、その点に関しては、実は日本国内においても、十分に“多様性”は存在し、より “個性、違い”を認めることを意識してもいいのではないかと思いました。ちなみに、日本も昔は六十余州ありましたし、大阪人の私としては、今でもNYのほうが、東京よりも文化的には近いと思っています (信号を守らない、人の話を最後まで聞かない、お金儲けが好き)。
AIの進化を受けて、最近も“今日の仕事のうちの80%の仕事の80%は、10年以内にAIができるようになる”という発言もがありました。これは、多くの人と同じ能力というのは、AIに置き換われられるリスクが高いということかと思います。そうすると、個々人には、“同一性(=コモディテー)”よりも“個性(ユニークさ)”がより求められるということかとも思います。個性というのは一人一人に存在するので、(国内外を問わず)人との接点を、“自分にとっての多様性を高める、新たな視点を得る機会”として活用できるかどうかが重要なのではないかと思いました。
なかなか忙しい日々が続くと、子供にも、言うことを聞かない、簡単なことがわからない、意味の分からないことをするなどの理由で、ついつい大きな声を出してしまいます。今回の特集を通じて、子供の個性を伸ばすためだけでなく、自分自身が成長するためにも、改めて自分自身が“包容力と好奇心”をもって、子供にも接することが重要なのだろうと反省させられてしまいました。やはり、最後は“Respect each other”ですね。
代表 武田秀俊
今週の1枚
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