旧ツイッター混乱の1年

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共同通信
イーロン・マスク氏(ゲッティ=共同)

 【ニューヨーク共同】米起業家イーロン・マスク氏が昨年10月27日に米短文投稿サイトのツイッターを総額440億ドル(約6兆6千億円)で買収してから1年が経過した。独断で社名を「X」に変更し、サービスや規約を次々と見直したものの、混乱が目立ち、利用者離れも起きている。

 買収理由に「言論の自由の確保」を掲げたマスク氏は投稿削除やアカウント停止といった規則を緩和。2021年の米議会襲撃事件を巡り、旧経営陣が暴力扇動の懸念があるとして永久凍結したトランプ前大統領のアカウントを復活させた。

 収益改善のため、多くの従業員を解雇し、課金サービスを始めた。通信から決済機能まで備えたスーパーアプリ化を進める考えを示し、一部の利用者に動画などによる通話機能を追加した。

 しかし、急進的な改革は摩擦や問題を生じさせている。投稿管理の緩和を巡り、国際NPO「反デジタルヘイトセンター」は6月に発表した報告書で有料会員の差別的な投稿を放置していると指摘。これに対し、Xは「広告主を引き離すためのキャンペーン」と反発した。