6月30日付のニューヨーク・デイリーニュースによると、米百貨店大手メイシーズが行う、万引きの疑いがある客を無理やり引き留め、罰金を払わせるという万引き対策に対し、ニューヨーク州最高裁判所は29日、行き過ぎた行為との判決を下し、損害賠償の支払いを命じた。
メイシーズは、商品を盗んだ疑いのある客に万引きを認める同意書に署名させ、罰金を払うまで店舗内に無理やり引き留めるという、強引な対応をしていたという。
ある女性客は、マンハッタン区34丁目の店舗でTシャツを万引きした容疑を掛けられ、事務所に連れて行かれると、同意書にサインさせられ、罰金を払わされた後、ニューヨーク市警察(NYPD)に身柄を拘束された。この女性客は英語があまり理解できず、書類の内容を理解しないまま署名したことが分かっており、同様の扱いを受けた買い物客らによる集団訴訟に発展していた。
同裁判所のマニュエル・メンデ-ズ判事は、「同店が裁判所や弁護士の協力なく、客に一方的な疑いを掛ける権利はない」とし、こういった対応を直ちに止めるよう言い渡した。
メイシーズ側は「既にこの対策は全米の全店舗で廃止した」と述べている。