首里城火災から4年、消防訓練

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共同通信
首里城の守礼門。奥には正殿の再建に使う材料を保管する木材倉庫が見える=29日、那覇市

 沖縄の文化の象徴とされる首里城(那覇市)で、正殿など6棟が全焼した2019年の火災から31日で4年となった。昨年始まった正殿の再建工事は、26年秋の完成に向けて本格化。4年前の火災で初期消火が遅れた教訓を踏まえ、首里城公園では早朝から手順を確認する消防訓練が行われた。

 沖縄県の報告書によると、未明の火災で発見の遅れなどが大規模な延焼につながった。訓練は夜間の体制を想定し、日の出前の午前5時半に開始。火元への放水だけでなく、噴射口のあるホースを地面に置き、水の壁を作る「水幕防御システム」を導入、延焼を防ぐ。

 国は22年11月、正殿の再建工事に着手。風雨を避ける仮設の建物「素屋根」内で工事を行っている。今年中には計513本の柱と梁の組み立てを終える見通し。24年度からは、柱や壁を漆で赤く塗る作業などに入る。「見せる復興」がテーマで、観光客も工事の様子を専用スペースから見学できる。

 火災は19年10月31日午前2時半ごろ、正殿から出火。県警と消防は出火原因を特定できなかった。