8日付のニューヨーク・ポストによると、米大統領選の共和党候補指名が確定したドナルド・トランプ氏は7日、ニューヨークのビル・デ・ブラシオ市長を「ほとんど病気」で「史上最悪」と評したが、市長はこれを逆手に取り、再選運動の寄付金集めに利用した。
トランプ氏の毒舌評論が報道されると、市長は再選運動事務局を通して、同氏が反イスラエルのメッセージをツイッターで流すなど、行動が「ニューヨークの精神」に反すると反論。さらに、「サダム・フセインはテロリストを殺害して実に偉大だと称賛している。彼がどういう人間だか明白」とし、「対抗策は、私の2017年の再選運動に寄付金を送ることだ」と訴えた。
市長はブロンクス区で行われた別の記者会見で、トランプ氏からの酷評について、「あのような人物」から攻撃を受けるのは光栄と皮肉たっぷりにかわしている。
トランプ氏によると、昨年、2億3700万ドル(約243億円)を費やしブロンクス区フェリーポイントの公共ゴルフ場を完成させたにもかかわらず、市長から感謝の言葉はなかったといい、それがわだかまりの元と推測される。これに対し市長は、「そもそもゴルフ場の建設など良いアイデアとは思えない」とコメントている。