ガザ南北を完全分断

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共同通信
6日、パレスチナ自治区ガザ中部で、イスラエルによって破壊された家屋の跡に集まる人々(ロイター=共同)

 【エルサレム共同】イスラエル軍報道官は5日夜、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区を北部と南部で完全に分断したと表明した。ネタニヤフ首相は同日、ハマスが人質を解放しない限り「停戦はない」と改めて明言。ハマスの中核拠点とみる北部ガザ市の包囲を完了した軍は、民間人の犠牲拡大に国際社会の非難が高まる中、ハマス徹底掃討へ空爆や地上侵攻を強化した。

 ハマスの奇襲攻撃で双方の戦闘が始まって7日で1カ月。ガザ保健当局は6日、ガザ側の死者が1万22人になったと明らかにした。イスラエル側と合わせ、死者は計1万1400人を超えた。ガザ保健当局によると2260人が行方不明で、がれきの下敷きになったままの恐れがある。

 軍は南北分断でガザ市を孤立させて攻勢をかける考えだ。北部に残る住民の南部への避難は一層困難となり、さらなる被害が懸念される。

 中東メディアによると、ガザ地区北部や中部で5~6日に激しい空爆が継続。パレスチナ通信は過去にない規模の空爆で、死傷者が多数出たと伝えた。