Published by
共同通信
共同通信
クマによる被害が多い東北各県に対し、駆除に抗議する電話やメールが先月ごろから続いている。人身被害が全国最悪の秋田はピークの10月上旬からは減ったものの、1日数件は「なぜ殺す」など強い口調の苦情も来る。同県の佐竹敬久知事は6日の記者会見で「感情論が多い。理解を得られるよう、国が行動を取ってほしい」と要望した。
秋田県によると、抗議が最も多かったのは、美郷町の畳店の作業小屋に10月4日朝から親子とみられる3頭がとどまった直後。駆除したため「かわいそう」といった電話やメールが殺到し、電話口で号泣する人もいて対応した職員の業務に支障が出た。
佐竹氏らによると、被害のない地域からの連絡が多く、同一とみられる人が何回も抗議してくるケースもあった。一方で駆除を求める意見もある。
秋田の次に人身被害が多い岩手では、先月中旬から「保護すべきだ」などの意見や要望が増え、ここ3週間で30件ほど来た。
福島県にも1日当たり多くて4~5件の電話がかかる。抗議に加えて、住民から「クマを何とかしてほしい」と不安を訴える声もある。