長射程ミサイルの早期取得費計上

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共同通信
東京・市谷の防衛省

 防衛省は2023年度補正予算案に、装備品の取得費や施設整備費など8130億円を計上する方針を固めた。他国領域のミサイル基地などを破壊する反撃能力(敵基地攻撃能力)にも使う国産の長射程ミサイルを含む弾薬の早期取得費として1523億円を盛り込む。木原稔防衛相が26年度に配備する計画の前倒しに意欲を示しており、こうした方針を反映させた形だ。関係者が7日、明らかにした。

 米軍再編を巡っては、空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)の移転を予定している鹿児島県西之表市の馬毛島での滑走路整備などに2684億円を確保。沖縄県と係争中の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設にも建設費326億円を充てる。

 国産ミサイルは開発中で、26年度に陸自の12式地対艦誘導弾の射程を延ばす「能力向上型」と、島しょ防衛用の「高速滑空弾」の納入を計画している。補正予算への計上により、開発を加速化させる考えとみられる。

 装備品の調達を巡り、円安に伴う価格高騰で不足する経費を補うため249億円を用意する。