ニューヨーク市議会のメリッサ・マーク=ビベリト議長(民主党)は13日、米大統領選共和党候補指名が確定した実業家のドナルド・トランプ氏が掲げる、不法移民の強制送還とイスラム教徒の一時的な入国禁止措置が実行されれば、ニューヨーク州および市に多大な損失をもたらすとの分析結果を発表した。
同議長が同日、マンハッタン区にあるグランド・ハイアット・ホテルで行われた非営利団体アソシエーション・フォー・ベター・ビジネス・ニューヨーク(ABNY)の集会でのスピーチで発表した市議会による分析結果によると、トランプ氏の提案が実施されれば、州と市は、市内5区で暮らす不法滞在者が支払う8億ドル(約833億円)以上の税収を失い、市は34万人以上の労働力を失うことになるという。移民擁護団体は、不法移民の強制送還が実施されれば、現在、不法移民らが従事する職に就く代わりの労働力を見つけることは困難で、企業は大打撃を受けるだろうと主張している。
議会の分析ではまた、市にはイスラム教徒が過半数を占める国の出身者が約26万3千人いるといい、市で働くそれらの労働者が市の経済に貢献する金額は、年間142億ドル(約1兆4780億円)にも上るという。