28日付のニューヨーク・デイリーニュースによると、長距離バスの主要ハブとなるターミナルであり、1日約20万人が利用するマンハッタン区のポートオーソリティー・バスターミナルで27日、ホームレスの男性が未然に事件を防ぐ手柄を立てたという。
ジョージ・ピューさん(46)は同日午後3時50分ごろ、マリファナを入手しようと同ターミナルのコンコースにいた麻薬密売人、ハンター・リー・テイラー被告(18)に近付いた。同被告は豊富に麻薬を扱っていると話し、ピューさんは取り引きを始めた。警官が2人の前を通り過ぎると、同被告は「俺は拳銃を持っている。あいつらを撃てば良かった」と話したという。ピューさんは被告が見栄を張っているだけだと思ったが、その後かばんから拳銃を取り出したため、トイレに行くと言ってその場を離れ、直ちに近くにいた警官へ通報した。その警官らにより、同被告は大麻所持と武器の不法所持の罪で逮捕された。
ピューさんは、家族を亡くしてからはホームレスとなり、現在はブルックリン区のホームレスシェルターで暮らしている。ピューさんは「警官は、私が警官の命を救ったと言ってくれた。事件が防げてほっとしているよ」と話す。