仏法相に無罪判決

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共同通信
フランスのデュポンモレティ法相(ロイター=共同)

 【パリ共同】フランスの裁判所は29日、法相の地位を利用して弁護士時代に起きた捜査機関との争いの解決を図ったとして利益不正取得の罪に問われたデュポンモレティ法相に無罪判決を言い渡した。判決理由で、故意に地位を利用した証拠はなかったとした。同国メディアが伝えた。

 裁判所はフランスで閣僚の在任中の犯罪を裁く「共和国法院」。現職の法相に対して共和国法院の公判が開かれたのは史上初めて。デュポンモレティ氏は一貫して否認していた。

 有罪判決の場合は法相辞任の圧力が強まっていた。ボルヌ首相はX(旧ツイッター)で「法相は仕事を続けられる。うれしい」と述べた。

 検察官ら司法官の労組などの告発を受け2021年に捜査が始まっていた。著名な刑事弁護士だったデュポンモレティ氏は20年の法相就任前、捜査機関が自身らの通話記録を調べていたことを問題視。法相就任後に担当の捜査判事に関する行政調査を命じたことなどが利益不正取得に当たる疑いがあるとされていた。