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共同通信
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原子力規制委員会は6日の定例会合で、テロ対策不備で事実上の運転禁止命令を出している東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の課題が改善され、東電に原発事業者の適格性があるとする事務局の報告を了承した。今後、山中伸介委員長らによる現地調査や、東電の小早川智明社長との面談の上で、運転禁止命令の解除を最終判断することを決定した。
柏崎刈羽原発では2021年1月以降、社員によるIDカード不正利用や故障した侵入検知設備の放置などが発覚した。規制委は同年4月、核燃料の移動を禁じる命令を出し、事務局の原子力規制庁が追加検査を延べ4268時間実施した。
規制庁は27項目の課題を指摘していた。報告書案によると、大雪など厳しい自然環境でも監視できる体制整備や、今年5月に社内に設置された核物質防護モニタリング室が改善を主導していることなどを確認。仮に今後、核物質防護に問題が起きても、自律的に改善できる仕組みが構築され定着しつつあるとした。