ヘイト巡り両論併記要求

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共同通信
杉田水脈氏

 自民党の杉田水脈衆院議員は5日、X(旧ツイッター)に、事実上のヘイトスピーチである「アイヌ利権」論を巡り、差別的デマだとする抗議の声だけでなく、「アイヌ利権はある」との主張も報じるよう書き込んだ。「取材してどちらが真実なのか、明らかにしてください」と訴えた。両論併記を求めた形。投稿はレイシズム(人種差別主義)をあおり、世論を誘導しようとしているとも受け取れる。

 「人間の尊厳」を掲げる岸田文雄首相(自民総裁)や党執行部の対応が問われる。杉田氏は、アイヌ民族などへの差別的言動を続けている。「アイヌ利権」は、アイヌ民族に関する交付金事業や当事者を卑しめる言葉で、インターネットで広がる。多くのメディアは、社会に通用する表現とみなしていない。

 杉田氏は、出演者がアイヌの関係者を名指しで「アイヌ利権」「ごろつき」と中傷するユーチューブ動画を11月28日のX投稿に添付、拡散している。5日の投稿でも、同じ出演者がアイヌの特定個人を改めて「ごろつき」と中傷する新たな動画を添付した。