議員の交通違反もみ消し 命じられた女性警官が市を提訴 

 15日付のニューヨーク・デイリーニュースによると、議員の交通違反を見逃すように上司から指示されたニューヨーク市警察(NYPD)の警官が、市を相手取り7500万ドル(約75億円)を求める裁判の準備に入ったという。
 勤続14年のミシェル・ヘルナンデス巡査は2014年3月11日、運転中に携帯電話を使用したブロンクス区選出のバネッサ・ギブソン民主党市議会議員に、200ドル(約2万円)の罰金と違反点数5点を言い渡したところ、議員が車内から、第44分署のケビン・カタリナ警視(当時)に電話をかけ、ヘルナンデス巡査はこの警視から違反をもみ消すよう指示されたと主張している。 
 ヘルナンデス巡査は議員を見逃したが、正義感から、既に記入を済ませていた違反切符のコピーを作成し、保管していたという。議員らは、そろって巡査の申し立てを否認している。
 現在、同区第49分署配属のヘルナンデス巡査は、違反切符発行のノルマに従わなかったため、不当な転属と処罰を受けたと訴えているが、NYPDの広報担当は、ノルマなど存在しないと説明した。
 親戚や友人などの違反をもみ消した罪で、11年には16人のNYPD警官が有罪判決を受けたという。
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