15日付のニューヨーク・ポストによると、ニューヨーク市の公立校では進級基準が緩和されたことにより、一定の学力を満たさなくても進級しやすくなったことから、夏期講習の受講者数が減少しているという。また基準緩和の影響から受講後の進級試験に落第する生徒の数も減少しており、ビル・デ・ブラシオ市長と市教育局(DOE)のカルメン・ファリーニャ局長の教育政策について疑問の声が上がっている。
ある非営利団体の調べによると、公立校の夏期講習受講者数は過去5年間減少傾向にあり、今年の受講者は1万9344人で最低となり、受講後に落第と判定された人数はこのうち13.5%に当たる2616人と、これも最低の人数となった。この減少傾向は、マイケル・ブルームバーグ前市長が廃止した、判定に関係なく自動的に進級できる「ソーシャル・プロモーション」を、デ・ブラシオ市長が復活させたことに起因するとみられる。
また、ファリーニャ局長も「試験の点数だけで学力は測れない」として受講後の進級試験の採点基準も甘くしていることから、教育関係者や保護者の間では、学年相当の学力を身に付けないまま進級する児童や生徒の増加を懸念する声が上がっている。