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共同通信
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甲府市で2021年10月、同じ高校に通っていた女性の両親を殺害して住宅に放火したとして殺人などの罪に問われた、当時19歳だった遠藤裕喜被告(21)の裁判員裁判の論告求刑公判が11日、甲府地裁(三上潤裁判長)で開かれ、検察側は「更生の可能性はない」として死刑を求刑した。実名公表が可能な「特定少年」として氏名が公表された被告への死刑求刑は初めてとみられる。
検察側は「女性への恋愛感情が実らず怒りを覚えた。筋違いで理不尽な逆恨みに過ぎない」などと指摘。女性を傷つけるため家族を殺害しようと考えた上で、あらかじめ犯行方法を決め、証拠隠滅目的で放火するなど計画性があることから、被告に責任能力はあったと主張した。
また、両親が無抵抗になった後も執拗に攻撃を加えていることなどから「冷酷で、生命軽視が甚だしい」と非難。他の未成年事件の判例に触れ「年齢が死刑を回避する理由にはならない」と述べた。
被告は求刑時、眉間にしわを寄せて小さくうなずいた。