大竹彩子(焼酎&タパス 彩)「プロ」が選ぶこの焼酎、この一本! 毎月第4月曜号掲載 第六回

 第六回 ゲスト:ITのプロ「中村大輔」さん
毎月焼酎好きで有名な各業界の「プロ」をゲストに迎え、焼酎と言ったら「この一本 !」を選んでいただくこのコーナー。さらに焼酎にまつわる人生エピソードを焼酎ソムリエ大竹彩子とインタビュー形式で語っていただきます。焼酎のプロと各業界のプロの焼酎トークお楽しみください。

中村大輔さん

中村大輔さん


−−ニューヨークでお1人でITコンサル会社を構え、成功されているNAKAMURA SYSTEMの中村大輔さん。普段は焼酎よりウイスキーがお好きとか?

中村: 正直スコッチロックが専門。でも最近は芋焼酎が苦手な僕でも飲める、軽くて飲みやすい焼酎が増えてきたよね。仕事関係の友人に鹿児島の蔵元さんと旧知の仲の方がいて、紹介されてそこの芋焼酎を飲んだ。最初「これ芋焼酎なの!?」ってくらい、ほんのり甘くて、柔らかくて、いくらでも飲めそうって思った。それが指宿酒造の「赤利右衛門」です。

−−また乙な焼酎をご存知ですね。赤利右衛門は原料の紅芋がとても華やかで飲み手を選ばない風味を引き出して、私も好きな芋焼酎です。特に米国で飲める赤利右衛門はアルコール度数20度とほかの焼酎に比べ5度ほど低く、お酒が弱い方でも楽しめると思います。

中村: まさにそう。仕事柄、クライアントと食事をともにすることも多いのですが、赤利右衛門だと女性にもお勧めだし、甘いからカクテルみたいにしてもとても合う。そこから話が弾んだりもして、会話の潤滑油の役目をしてくれたりもする。焼酎の良さって1本を数人でゆっくり飲めるじゃない。ウイスキーだとそうはいかない。キープもできないしね。

−−ビジネスシーンでも焼酎は役に立っているのですね。中村さんがニューヨークで起業したきっかけは?

中村: 中学生の時に毎年夏休みを利用して1カ月ほど、ロサンゼルスやニューヨークに滞在していました。特にニューヨークは、ごちゃごちゃしていていいなって、肌に合って。それで25歳のときに日本の大手IT企業を辞めてニューヨークに来ました。“アメリカのかっこよさ”が好きなんだよね。Hells Angelsって知ってる? 60年代くらいから流行った、でっかいバイクに乗っているモーターサイクルギャングなんだけど、彼らの付けてる指輪がかっこよくて、どうしても欲しくて、彼らの事務所みたいなところに行って「ください!」って。その後殺されそうになったけどね(苦笑)。1、2年で日本に帰ろうかとも思ったけど、何か残さなきゃって、今から10年ほど前に今の会社を立ち上げました。

−−目的のために飛び込んでいける度胸と挑戦心があるからこそ、今のご成功があるのですね。最後に、そんなITの「プロ」中村大輔にとって焼酎とはどのような存在でしょうか。

中村: 本当はウイスキーやウォッカが好きだけど、あれは1人で飲むもの。僕にとって焼酎とは「性別や年齢、価値観の垣根を越えて共有できるもの」
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赤利右衛門(芋焼酎)
指宿酒造株式会社(鹿児島県) 原材料: 甘藷・米麹
江戸時代中期に琉球から日本にサツマイモを持ち込んだ指宿出身の前田利右衛門から名付けられた。


大竹彩子
東京都出身。2006年、米国留学のため1年間ミネソタ州に滞在。07年にニューヨークに移り、焼酎バー八ちゃんに勤務。13年10月に自身の店「焼酎&タパス 彩」をオープン。焼酎利酒師の資格をもつ。

焼酎&タパス 彩
247 E 50th St (bet 2nd & 3rd Ave)
212-715-0770 www.aya-nyc.com