消防士のがん登録を データ基に有害物質を除去

 28日付のウォール・ストリート・ジャーナルによると、ニューヨーク州選出の民主党連邦上院議員、チャールズ・シューマー氏は同日、マンハッタン区の消防署前で記者会見し、全米の消防士のがん罹患率を記録する法案を提出する意向だと発表した。
 消防士労働組合の幹部らとともに会見に臨んだ同氏によると、この法案は、がんと診断された消防士のデータを匿名で集め分析し、そのデータを基に有害な建築材料などの使用をなくすことを目的としているという。消防士は、消火や救助活動の際に、燃える家具や洋服、生活用品に含まれる複合化学物質に頻繁にさらされることから、がんにかかる割合が一般と比較して高い。2001年9月に起きた米同時多発テロでは、物質が燃えた際、珍しいがんの原因となるアスベストなどの有害物質が大気中に放出されていたことが確認されている。
 がんの履歴などを管理する米疾病予防管理センター(CDC)は、がんと診断された消防士が提出したデータを基に、消火活動を行った場所を特定し、それらの建築物に有害物質が含まれるかどうかを調査する。
 同氏は、この法案が9月中に可決され、来年1月に施行されることを目標としている。
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