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共同通信
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【ワシントン共同】米国で日本語を教える教員の高齢化が深刻化している。中高年が大半を占める中、年齢を理由とした退職が将来的に相次ぐ可能性があり、現地での安定的な日本語教育に欠かせない人材が不足する懸念がある。日米両政府もこうした課題を把握しており、若手教員の確保に取り組む方針だ。
現地で日本語教育に携わる団体が幼稚園や小中高、大学、日本語学校などで日本語を教えている教員を対象に10月に実施した調査によると、回答した305人のうち、54%に当たる165人が51歳以上だった。一方、30歳未満は8人と全体の3%にとどまった。
背景にあるのが待遇面での問題や、就労ビザ(査証)取得の難しさだ。中部大西洋岸日本語教師会が実施した調査に対する回答では「給料が安く、副業をしなければ生計を立てられない」といった厳しい現状をうかがわせる声が相次いで寄せられた。
教師会は日米両政府に対し、日本人教員のビザ取得プロセスの緩和や待遇改善のほか、日本語習得者への日本での就労やインターン機会の拡大を訴えている。