第3回 植村花菜のNY子育て日記 自分のお金で買う喜び

 

第3回 植村花菜のNY子育て日記

自分のお金で買う喜び

 

 

アメリカでは、学校への募金を集めるための様々なイベントがありますが、その一つが「BOOK FAIR(ブックフェア)」。年に2回ほど、学校で本や文房具などが購入出来るイベントで、その売上の何割かが学校に寄付されるといもの。私の息子は本が大好きなので、もちろんこのBOOK FAIRも大好き!私も本が大好きなので、息子にも本が好きな人になって欲しいと思い、余計なおもちゃは買わないけれど、本なら基本的に何冊買ってもOK!と幼い頃から言ってきました笑。

この秋のBOOK FAIRでは、2冊の本でどちらを買うかとても悩んでいたので、私が「両方買ってあげるで〜」と言うと、「でも、お金が足りないねん」と言い出す息子。てっきり私が買うもんだと思っていたら、なんと彼は自分の貯金で買おうとしていたのでした!私はまだ息子にお小遣いをあげていなかったのですが、彼はコツコツとボトルリファウンドやヴァイオリンのバスキング演奏でゲットしたお金を貯めていて、その貯金で買おうとしていたんです。私が彼と同じ年齢(8歳)の時なんて、もし親が何か買ってくれると言うならば欲望丸出しで好きなだけ買ってもらおうとする子供だったような気がしますが笑、この人はなんとまぁしっかりした人なんだろうと私はかなり驚きつつ、改めて「お金が足りないんやったらママが両方買ってあげるよ」と言うと、「自分のお金で買いたいねん」と言う息子。「じゃあせめて、一冊自分で買って、もう一冊をママが買うのは?」と提案すると、「自分が持っているお金で、買えるものだけ買いたいから」と言って、再び持っているお金を計算してはどちらを買おうかと悩んでいました。最終的に一冊決めて、その分のお金を持ってBOOK FAIR当日に学校へ行き、無事に選んだ本を自分で買ってきました。とても嬉しそうでした。

前回のコラムで断捨離のお話をしたように、我が家はなるべく必要以上に物を増やさないことを心がけて生活していますが、その影響なのかなんなのか、とにかく感心させられました。今回のBOOK FAIRで息子はほぼ全貯金を使い果たしてしまったので、次回までにどうやってお金を貯めるのか、今度は家族でお小遣いについて話し合ったので、それはまた別の機会に!

 

Shintaro Ueyama
Photo:Shintaro Ueyama

シンガーソングライターの植村花菜です。2016年に渡米し、夫、8歳の息子とニューヨークで暮らしています。11月に第二子を出産。NY生活や子育てに関するエッセーを綴っていきます。

公式サイト: http://ka-na.us
X(Twitter) : https://www.twitter.com/kanajpop

 

 

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