戻ってきた9.11の米国旗 15年間行方不明

 7日付のニューヨーク・タイムズによると、米同時多発テロの記念日を目前に、グラウンド・ゼロで掲揚された後15年間行方不明だった米国旗が、同地に戻るという。
 この旗はもともと、近くに停泊していた「アメリカの星」という名のヨットにあったもの。テロ直後、3人の消防士によって現場に掲げられ、米国の「負けじ魂」の象徴として広く知られている。その後は、ヤンキー・スタジアムや中東に派遣された米国海軍の軍艦で使われ、ニューヨーク市庁舎に返還されたのは2002年のこと。しかし、これはサイズが違い、本物は行方が不明で、14年の暮れにはテレビ番組でも謎として扱われた。
 放映の4日後、ブライアンと名乗る男性が「テロの遺族から贈られた」として、国旗をワシントン州シアトル北部の市消防署に持ち込んだ。旗に付いたちりの比較や写真の分析、ヨットの関係者による付属品の確認などが行われた結果、先月、本物と信じるに足る充分な証拠があるとの結論が出た。
 この国旗は11日、9.11記念博物館に収められる予定。しかし、“ブライアン”は消息不明のため、そのいきさつは疑わしいという声もあり、いまだ多くの謎に包まれている。

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