安倍派の塩谷立座長を任意聴取

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共同通信
10日、記者団の質問に答える塩谷立氏=浜松市

 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件で、東京地検特捜部が安倍派(清和政策研究会)の塩谷立座長=比例東海=を任意で事情聴取したことが24日、関係者への取材で分かった。裏金づくりについて認識を確認したとみられる。安倍派幹部で聴取が明らかになるのは初めて。安倍派では2022年、議員側が集めたパーティー券の販売ノルマ超過分の還流は不適切だとして取りやめる方針が決まったが、後に撤回された。特捜部はこの経緯についても説明を求めたもようだ。

 派閥が本来のパーティー収入を記した資料とは別に、議員側への還流額を反映させた資料を作成していたことも判明。実質的な「二重帳簿」で裏金を管理、運用していたという。

 塩谷氏は衆院当選10回で、官房副長官、文部科学相を歴任。疑惑発覚後に還流が「あったと思う」と発言したものの、直後に撤回していた。

 還流額について、派閥側と議員側の認識に差があるケースが多くあることも分かった。特捜部は家宅捜索で押収した資料を精査するなどし、政治資金収支報告書への不記載額を確定させる。