20日付のゴッサミストによると、ニューヨーク州の大学生の学生ローン残高が、10年前に比べて約2倍に膨らんでいるという。
同州のトーマス・ディナポリ会計監査官が同日発表した調査結果によると、学生ローン残高はインフレ率を大きく上回るペースで膨れ上がっており、州全体では820億ドル(約8兆3290億円)に上ることが分かった。州在住の学生の学生ローン残高平均額は、1人当たり3万2千ドル(約325万円)と、全米平均の2万9700ドル(約302万円)を超える。さらに、ニューヨーク市内在住の学生では平均3万5100ドル(約357万円)だった。
残高が急膨張する原因として、学費の高騰が挙げられる。ビジネスインサイダーによる2015年度全米大学学費ランキングトップ20には、市内からは2位にコロンビア大学、3位にニューヨーク大学(NYU)がランクインしている。高い学費を補うためには奨学金の取得が1つの手段だが、例えばNYUでは、学費や家賃、雑費を含めた平均年間費用が7万ドル(約711万円)なのに対し、14年の奨学金援助は学生1人当たりわずか2万8千ドル(約284万円)ほどだった。学生ローンに頼らざるを得ない現状が浮き彫りとなった。