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共同通信
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羽田空港で海上保安庁と日航の航空機が衝突した事故で、海保機が事故直前に管制官から待機を指示された地点には、停止が必要なことを赤い光でパイロットに知らせる「ストップバーライト(停止線灯)」が設置されていなかったことが10日、国土交通省への取材で分かった。設置は義務ではなく、悪天候時などに使われる約15メートル手前の停止線には整備済みだった。誤進入の予防策として効果的だとの指摘もあり、国交省は今後、有識者を交えた委員会で整備や活用の可否を検討する。
国交省は事故後、管制官が海保機に向かうよう指示したC5誘導路には停止線灯が設置されているとしてきた。C5にある停止線2本のうち、滑走路に近い方の停止線にはライトが整備されていなかったことが取材で判明。視界不良時に計器を使って離着陸する場合の停止線に設置されていた。
運輸安全委員会は過去の調査報告書で、夜間や視界良好時も含め「誤進入予防策の一つと考えられる」と分析。斉藤鉄夫国交相は9日の記者会見で「ストップバーの生かし方など、いろいろな意見が出ている」と言及した。