余震の中、声かけ続け救助

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共同通信
能登半島地震の救助活動からの帰還を報告する福岡県警の機動隊員ら=10日午後、県警本部

 能登半島地震の発生から約124時間がたった6日夜、石川県珠洲市の倒壊家屋で90代女性の救助活動に関わった福岡県警の機動隊員牧朔太郎巡査(23)らが10日、県警本部で報道陣の取材に応じた。「お母さん頑張れ」「家族が待っている」と声をかけ続け、余震で中断を余儀なくされながら4時間かけ助け出した様子を振り返った。

 6日、避難所での聞き込みから女性が取り残されていることを知り、現場に急いだ。生存率が大幅に下がる72時間を大きく過ぎていたが「生きて見つかる人もいる」と信じていた。

 木造2階建ての家屋は1階がつぶれ、2階の窓から身をよじって入り込んだ。1階部分で隊員らは女性を発見。「まばたきしている」。生存を確認し救出に当たった。

 つぶれた家屋の狭いスペースで体の状況を把握しようと、何とか腕を伸ばした。女性は足首を梁と畳の間に挟まれていた。のこぎりなどを使ってがれきを除き、何とか外に運び出した。

 派遣された80人は9日に帰県。一員だった舟川和希警部は「もっと人を助けたいと思った」と話した。