カーネギー・デリが閉店 オーナーが「限界感じる」

 9月30日付のDNAインフォによると、ニューヨーク市の名物レストラン「カーネギー・デリ」が、今年の12月末をもって閉店することが分かった。オーナーのマリアン・ハーパー氏が同日朝、従業員を前に発表した。
 閉店の理由について同氏は、「1日中働き通しの上、寝る暇さえないときもある。マンハッタン区のレストラン稼業は厳しく、限界を感じる」と語った。同店は、7番街の西54と55丁目の間にあり、79年の歴史を誇る老舗。分厚いパストラミのサンドイッチやクッキー生地を使ったチーズケーキが有名だ。1939年に開店し、世界中から客が訪れる観光名所でもあるほか、ウッディー・アレンが84年に制作した映画、「ブロードウェー・ダニー・ローズ」の舞台となったことでも知られている。
 「何度も客を運んだ。あれだけ有名なのに」と残念がる地元のタクシー運転手や、「近くに住んでいた30年前は毎月通っていた。歴史が消えていく」と肩を落とす人など、閉店を惜しむ声は多い。
 ただし、サンドイッチなど一部の商品は、マディソンスクエアガーデンやテニスのUSオープン会場などで販売を続ける方針で、ホームページから購入することもできる。

客が行列を作る中、店を買い取りたいという申し出があり、地元メディアが取材に訪れた=3日(Daily Sun)

客が行列を作る中、店を買い取りたいという申し出があり、地元メディアが取材に訪れた=3日(Daily Sun)