車掌が駅で自殺止める 体を張って説得 

 4日付のニューヨーク・デイリーニュースによると、ニューヨーク市内の地下鉄駅で自殺を試みようとした母親(43)とその娘(9)を、ニューヨーク市交通局(NYCT)の車掌が救ったという。
 NYCTに勤めて8年目のウォーレン・コックスさんは9月30日の午後、マンハッタン区の59丁目レキシントン駅で、利用客から女性が騒ぎを起こしていると知らされた。駆け付けると、母親が娘の腕をつかみながら叫んでおり、数人の利用客が母子を囲んでいた。母親は、「人生の中で困難な時期にある」と悩みを抱えている様子で、コックスさんは「じっと耐えれば良くなるものだ」と説得したが、母親の興奮は収まらなかった。
 娘は「上着やスーツケースを道端に置いてきた」と話し、利用客の1人が「持ち物を放置してきたのは、自殺志願者にみられるよからぬ前兆」と説明すると、コックスさんもこれを非常事態であると察知し、今にも線路に飛び込みそうな母子とプラットホームの縁の間に危険を顧みず立ちはだかり、警察に通報した。
 NYCTのロニー・ハキム社長は、「勇敢な行動によって母子の命が救われた」と称えたが、当の本人は、「真のヒーローは協力してくれた利用客の皆さん」と述べた。

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