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共同通信
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能登半島の被災地で初めて、仮設住宅の建設が12日始まった。雪が残る広場で作業員が測量など慌ただしく建設準備を開始。「仮設住宅を拠点に生活を整え、ここで生きていきたい」。冬空の下、近くの避難所に身を寄せる被災者は、街再建への期待を胸に作業を見守った。
石川県輪島市では仮設住宅着工と併せて、入居申し込みが始まり、早朝の市役所には被災者が続々と訪れた。同市の惣領和彦さん(53)もその一人。輪島朝市近くの実家は全焼し、母親(76)や弟と避難所で生活する。心配するのは母親の足が悪く、この暮らしに限界が近づいていることだ。
県は、避難所の要配慮者らについて近隣の宿などに受け入れる2次避難を進めているが、惣領さんは市内の仮設住宅で生活を立て直すことにした。「入居申請できたのはうれしい。街が再建するのを見たい」とほっとした様子を見せた。
輪島市の着工現場では、県の担当者と作業員が設計図を片手に打ち合わせしながら、1カ月後の完成に向け急ピッチで準備を進めた。