17日付のニューヨーク・デイリーニュースによると、建設ラッシュのニューヨーク市で近年、建設現場での事故が相次いでいることを受け、事故が労働組合所属作業員によるものか非所属の作業員によるものかを識別することを、政治家および労働者団体が市に訴えている。
建設工事の請負契約を巡り、組合所属業者と非所属業者が競い合っているが、擁護団体は長年にわたり、組合労働者が技術的に優れ、より安全であると主張してきた。しかし、事故の詳細を記録した統計が存在しないため、これを裏付けるデータが求められている。
市では、建設現場での事故や建築法違反などが多発。市建設局によると、2015年には前年の約2倍となる433件の事故および471件の傷害事故が起き、死亡事故は前年の8件から12件に増えていた。
組合業者と非組合業者の安全性についての議論は、昨年エクアドルからの移民、カルロス・モンカヨさん(22)がマンハッタン区の建設現場で死亡した事故をきっかけに炎上。この現場では、事故の数カ月前から安全検査官が安全性について警告していたが、工事を請け負う非組合業者が対応を怠っていたため、事故の責任を追及され有罪判決を受けている。