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共同通信
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政府は22日の経済財政諮問会議で、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の中長期試算を示した。2025年度の収支に関し、仮に高い経済成長を実現しても1兆1千億円の赤字になり、黒字化の目標を達成できないと見込んだ。赤字幅は物価高に伴う税収増を受け、昨年7月の前回試算(1兆3千億円)より縮小する。ただ高成長が実現できなければ2兆6千億円の赤字になる。
高成長のケースは、23~25年度のGDP成長率が実質で1.3~1.6%程度、名目で2.8~5.5%程度まで高まって推移するとの前提で試算した。もし実現できれば前回試算と同様、25年度は赤字が残るが26年度には黒字化が達成できるという。
従来の延長程度の成長率なら26年度以降も赤字が続き、試算の最終年度の33年度まで一度も黒字転換しない見通し。
高成長のケースでは、消費者物価上昇率は24年度が2.5%、25年度が2.0%と試算した。一方、賃金上昇率はそれぞれ2.5%、3.0%と見込み、25年度には物価上昇を上回る賃上げが実現するシナリオを描く。