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共同通信
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兵庫県尼崎市は22日、無許可の性風俗店が集まっていた旧遊郭の通称「かんなみ新地」にある木造長屋の本格的な解体作業を始めた。一帯は2021年に県警と市から営業中止警告を受け約30店が一斉閉店した。市は土地と建物を取得して更地にし、売却する方針。
市や県警によると、かんなみ新地は阪神電鉄尼崎駅から西に約1キロの同市神田南通3丁目付近にあり、約70年前に遊郭として営業を開始。1958年の売春防止法施行で遊郭は廃止されたが、一部店舗が風俗営業の許可を得ず飲食店の形態をとり、女性従業員が性的サービスを提供していた。
この日は重機が大きな音を立てながら長屋を屋根から崩していく様子を通行人らが足を止めて見ていた。近隣住民は「風俗店はない方がいいと思うが、古い町並みがなくなってしまうのは寂しい」と話した。
市は22年度補正予算に約1億9400万円を計上し、土地建物の取得事業を進めている。先に更地にした区画は広場などで活用する。