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共同通信
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京都市で2019年、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者林優里さん=当時(51)=からの依頼に応じ殺害したとして、嘱託殺人罪などに問われた医師大久保愉一被告(45)の裁判員裁判公判が22日、京都地裁であり、被告人質問が行われた。「安楽死」を巡るやりとりを重ねていた林さんを殺害したことについて「本人の意思を尊重してジャッジすべきだと思っていた」と述べた。
弁護側が、誰でも望めば死ぬことができる社会になればいいと思っていたのかと質問。被告はそれを否定した上で「『もう頑張れない』『苦しみから解放されたい』との願いをかなえてあげるというのはあった」と説明した。
被告は小学生の頃、死産を巡り親戚が医師から冷淡な態度を取られたのを目の当たりにしたと言及。「もう少し心があってもいいんじゃないか。まともな医者になれたら」と思い、医師を志したと涙ながらに語った。地域医療に関心があったとして、大学時代に「地道に、へき地で住民に喜ばれる医者になりたい」と友人に語ったことも明らかにした。