日本酒発祥の地ともいわれる島根県にある老舗の蔵元「竹下本店」が丁寧に醸す
無濾過生原酒は、日本のみならず海外でも大きなムーブメントを生んでいます。
島根から世界へ届け、無濾過生原酒「KAKEYA」
おいしい空気と水が自慢の町、島根県雲南市掛合町に150年以上続く酒蔵「竹下本店」には、ユニークな企画で日本酒活性化を取り組む仕掛け人がいる。取締役の竹下正彦氏は、米国で会計士などのキャリアを重ねた後、一時的に閉業した歴史ある実家の蔵元を、新たな息吹で蘇らせた。
自慢の銘柄KAKEYAを引っ提げた竹下氏は、全米を奔走中だ。自ら手植えした酒米を使うこだわりの製法と、キレのある味わいが特徴の無濾過生原酒は、辛口で米の風味が高く、無濾過生原酒の本来の味が楽しめる。竹下氏は、ワインやコーヒー同様、無濾過生原酒も「テロワール(生育環境)」が大切だとの持論を持ち、「環境が味に影響しやすい無濾過生原酒は地域の特色が一番出るお酒」と語る。日本酒を造るのであれば無濾過生原酒を、と決めていた。
「日本酒造り」と「地域性」のつながりを重んじる竹下氏は、同じ志を持つ仲間とともに「日本酒のあるライフスタイルを世界中に」というコンセプトの下、2015年に「日本酒応援団」を結成。丹精込めて造られた酒を、海を越えて多くの人々にも親しんでもらいたいという想いがある。同団は、地方の酒蔵のブランディングやデザイン、PRなどをサポートし、酒蔵同士の連携を生む役割も担う。現在は石川県・数馬酒造の「NOTO」を手掛けるほか、今後5年で全国30蔵とのネットワーク構築を目指す。
結成1年目にサンフランシスコでのイベント「酒デー」にKAKEYAを出品したところ、地元の人から大変評判が良かった。このときに、無濾過生原酒は海外でも受け入れられると確信。まずは米国市場への進出を狙い、世界で最も洗練された街の1つであり、好奇心旺盛な富裕層が集うニューヨークでの試飲会などに精力的に出品している。
蔵元のある「掛合町」と「皆で掛け合わさって造ったお酒」の意味が込められたKAKEYA。洗練されていながらも骨太のこの酒に、至るところで出会える日もそう遠くないだろう。
取材協力:蕎麦 鳥人
日本酒応援団
kakeya紹介ページ
https://welovesake.com/kakeya/