京アニ放火殺人、25日に判決

01/24/2024

　36人が死亡、32人が重軽傷を負った2019年7月の京都アニメーション放火殺人事件の裁判員裁判で、殺人罪などに問われた無職青葉真司被告（45）に京都地裁（増田啓祐裁判長）は25日、判決を言い渡す。事実関係に争いはなく、被告の当時の刑事責任能力が最大の争点。検察側の死刑求刑に対し、弁護側は無罪や刑の減軽を訴える。

　平成以降最悪となる36人の犠牲者を出した殺人事件。被告が抱いていた妄想が事件にどの程度影響を与えたのかが焦点だ。精神鑑定医2人の見解が分かれ、検察側と弁護側の主張が真っ向から対立する中、裁判員らの結論が注目される。

　公判で被告は京アニの小説コンクールで落選し、アイデアを盗用されたことが動機と説明。落選や盗用は「闇の人物」の意向だったと妄想に基づく主張もしていた。

　検察側は妄想の影響は限定的で完全責任能力があったと主張。他責的な性格傾向が表れた「筋違いの恨みによる復讐で被害者数は日本の刑事裁判史上突出して多い」と強調。「理不尽で身勝手極まりない」として極刑回避の事情はないとした。