京アニ放火殺人事件、死刑判決

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共同通信
逮捕当時の青葉真司被告=2020年5月、京都・伏見署

 36人が死亡、32人が重軽傷を負った2019年7月の京都アニメーション放火殺人事件の裁判員裁判で、京都地裁(増田啓祐裁判長)は25日、殺人罪などに問われた無職青葉真司被告(45)に求刑通り死刑判決を言い渡した。事件当時、被告に責任能力があったと認めた。

 平成以降最悪となる36人の犠牲者を出した殺人事件。刑事責任能力が最大の争点で、被告が抱いていた妄想が事件にどの程度影響を与えたのかが焦点だった。

 公判で被告は京アニの小説コンクールで落選し、アイデアを盗用されたことが動機と説明。落選や盗用は「闇の人物」の意向だったと妄想に基づく主張もしていた。

 検察側は完全責任能力があったとした上で「うまくいかない人生の責任を京アニに転嫁した」と指摘。妄想の影響は限定的で「極刑を回避する事情にはならない」と主張していた。

 弁護側は、被告には重度の妄想性障害があったと反論。「妄想世界での体験や怒りによって善悪の区別や行動を制御する能力を失っていた」として、心神喪失や耗弱を理由に無罪や刑の減軽を求めていた。

公判に出廷した青葉真司被告(イラストと構成・田村角)