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共同通信
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三重県名張市で1961年、女性5人が死亡した名張毒ぶどう酒事件の第10次再審請求審で、最高裁第3小法廷(長嶺安政裁判長)は、奥西勝元死刑囚=2015年に89歳で病死=の妹の岡美代子さん(94)による特別抗告を棄却する決定をした。29日付。再審を認めない判断が確定する。裁判官5人中4人の多数意見。
行政法学者出身の宇賀克也裁判官は「再審を開始すべきだ」との反対意見を述べた。名張事件の再審請求審を巡り、最高裁で反対意見が出たのは初めて。
奥西元死刑囚は64年の一審無罪判決が二審で逆転死刑となり、その後確定。第7次再審請求で名古屋高裁が05年、再審開始決定を出したが、異議審で取り消されるなど、事件から60年余りの間に裁判は異例の経過をたどった。
確定判決によると、61年3月28日、名張市内の公民館で開かれた懇親会で、ぶどう酒を飲んだ奥西元死刑囚の妻ら女性5人が死亡、12人が中毒症状で入院した。