Dr. 石谷三佳 なるほど!ザ・カイロ 毎月第1月曜号掲載 VOL.70 アレルギーとぜんそく

 ぜんそくとは、外部からの刺激がきっかけで、気道が狭まったり完全に閉じてしまったりする病気です。どんな人の気道でも刺激物には反応しますが、ぜんそくを持つ人の場合は異常に反応してしまい、時には命の危険すらあります。
 ある研究によると、ぜんそくは遺伝的要素が大きく、またアレルギーを持つ人に多いことが分かっています。ぜんそくの発作は徐々に始まることも急に始まることもあり、短い時間で終わることもあれば数日に及ぶこともあります。発作の特徴は次のとおりです。

・息切れ
・喘鳴(ぜいめい、息を吐くときのヒューヒューする音。聴診器がないと聞こえないことも)
・咳
・呼吸数の増加
・胸苦しさ
・胸とのどのかゆみ

 ぜんそくの発作のきっかけとなるもので、最も多いのが環境的要因です。アレルゲン、煙、冷気、動物のフケ、ウイルス感染などが一般的です。ぜんそくには治療法というものがないのですが、環境的要因を取り除くことによって、ぜんそく発作の回数と症状を軽減することはできます。
 アレルギーとぜんそくの唯一の関連性は、アレルギー体質(アトピー体質)の人はぜんそくになりやすい傾向がある、ということだけです。アトピー体質は遺伝性がありますが、ぜんそくについては遺伝性があるのかどうか、はっきりしていません。ですから、アレルゲンを減らせばぜんそく発作が減る可能性があるのは明らかです。ぜんそくに関連することの多いアレルゲンや食物アレルギーには、ダニ、ゴキブリ、カビ、花粉、卵、牛乳、ピーナッツ、大豆、小麦、魚、甲殻類、保存料や添加物などがあります。
 カイロプラクティック治療を受けると、ぜんそく発作に伴う筋肉の痛みが楽になり、また、肺活量が改善されて発作が減り、軽くなる可能性があります。治療を続ければ、患者の運動協調性がよくなり、呼吸筋の筋力も上がります。さらに、最近の研究で、ビタミンEの摂取量を増やすとアレルギーに関連する抗体のレベルが下がり、アレルギー症状が軽くなる可能性があることが分かりました。ビタミンEはほかにも、がんや心臓病の予防に役立ち、正常な血液凝固にも一役買っています。
 ぜひカイロプラクティック医に相談して、あなたやお子さんのアレルギーやぜんそくの症状を楽にする方法を聞いてみてください。


Dr. 石谷三佳
石谷カイロプラクティッククリニック院長。パーマーカイロプラクティック大学院卒後、ハーバード大学医学部専門課程終了。米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員も務め、2008年には「Chiropractor of the Year」を受賞。寄稿著者に“Neck Pain…
You Don’t Want It, You Don’t Need It”がある。

石谷カイロプラクティックセンター
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