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共同通信
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明智光秀が1571年に琵琶湖岸に築いた坂本城(大津市)跡で、三の丸とみられる石垣(長さ約30メートル、高さ約1メートル)と外堀跡が見つかり、大津市が7日発表した。坂本城は調査例が少なく、遺構が見つかったのは、1979年に本丸の礎石などが確認されて以降2回目。三の丸とすれば、坂本城の範囲を示す発見になるという。
坂本城は、大津城築城に伴い廃城となり、絵図も残っていないため「幻の城」と呼ばれており、滋賀県立大の中井均名誉教授(城郭研究)は「石垣は位置や構造から坂本城の三の丸の石垣とみてよい。これほどの石垣が見つかったのは奇跡で、今後、平面構造を考える上での基軸になる」と話す。
堀と石垣は本丸跡から300メートル西南の大津市下阪本3丁目の宅地造成地で見つかった。石垣は築城時はもう少し高く、さらに南北に続いていると推定できるという。石材は花こう岩でさまざまなサイズの石を積んでいた。
堀は深さ約1メートルで、幅約8メートル分が見つかったが、対岸が見つかっておらず、それ以上の幅があったとみている。